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ブログ (社会課題)2023.01.10

人類が初めて地球環境を好転させたオゾン層回復という奇跡

 2023年1月9日、英国BBCは、「オゾン層は今後数十年で回復する可能性がある: Ozone layer may be restored in decades」とするニュースを報道した。https://www.bbc.com/news/science-environment-64215660 (BBC UK) https://www.bbc.com/japanese/64300774 (BBC Japan)。この度のBBCの報道は、以下の国連報告書を根拠としている。 https://www.unep.org/news-and-stories/press-release/ozone-layer-recovery-track-helping-avoid-global-warming-05degc (UN web environment program) https://ozone.unep.org/system/files/documents/Scientific-Assessment-of-Ozone-Depletion-2022-Executive-Summary.pdf (報告書PDF)。

ニュースの詳細については、ぜひwebサイトにアクセスして、ご自身の眼で確認していただきたい。https://www.youtube.com/watch?v=nnjbvf12pfU


 46億年前に太陽系に地球が誕生し、38億年前に海が創られるとやがて生命が誕生した。5億年前のカンブリア期になると海中に様々な生き物が生まれ、4億年前に生物は海から陸へと移動した。今日、およそ870万種もの動植物が地球環境とともに暮らしている。元来、太古の地球の地上環境とは、酸素がごく僅かで太陽から強烈な紫外線が降り注ぎ、生物が暮らすことは不可能だった。しかし、海のバクテリアが幾億年も費やして酸素を地上に放出したことで、やがて3個の酸素原子(O3)からなるオゾンが上空10~50Kmの成層圏に滞積し、オゾン層が形成された。このオゾン層の効果により、地上の酸素濃度は20%前後で安定し、さらには太陽から降り注ぐ有害な紫外線から生物が守られるようになり、生物は海から陸地へと移動することが可能となった。つまり現在の地球環境があるのは、億単位の年月をかけて大気にオゾン層が形成された恩恵なのである。

 それから時を経て人類が誕生したのは約500万年前のアフリカである。地球の歴史を24時間とすると、人類の誕生は23時58分43秒であり、人類はそこから先の最後の17秒間しか地球に存在してない。この僅か17秒たらずの人類史の中で、人間は大陸を移動して世界各地に散らばり、戦争と環境破壊という残念な歴史を繰り返してきた。21世紀以降も人類は宇宙開発と称する覇権争いのビジネスを美辞麗句に、宇宙環境までも無残に破壊し続けている。その背景には、人間のあくなき探求心と欲望があり、逆流することのない技術の進歩があった。


 私はこの度のオゾン層の調査で判明した「1980年代のレベルにまでオゾン層の状態が回復している」という内容に興奮と衝撃を隠せない。何故ならオゾン層の回復は、人類が有史以降初めて一致団結して地球環境を好転させたセンセーショナルな出来事と感じたからである。先進国も途上国も世界の国々が協力して地球温暖化を睨み、エアコン、缶スプレー、冷蔵庫などのフロンガス対策をとり、クッションやウレタンなど発泡剤の使用を控え、ゴミ廃棄物の燃焼規定を設定し、自動車や飛行機の排気ガスを減らし続けた結果、あらゆる生物が生きる地球環境を大気から守るオゾン層が回復しはじめたのである。だからこそ私はこの度のオゾン層回復のニュースを「人類が初めて地球環境を好転させた奇跡」と心の底から叫びたいのである。

          



【引用URL】

https://www.bbc.com/news/science-environment-64215660 (BBC UK 2023/01/09)

https://www.bbc.com/japanese/64300774 (BBC Japan 2023/01/18)

https://www.unep.org/news-and-stories/press-release/ozone-layer-recovery-track-helping-avoid-global-warming-05degc (国連web environment program 2023/01/09)

https://ozone.unep.org/system/files/documents/Scientific-Assessment-of-Ozone-Depletion-2022-Executive-Summary.pdf (国連、NASA、EU、アメリカ海洋大気庁:NOAA、世界気象機関:WMOの5機関から共同発表

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