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気候変動と火災:史上最悪の豪州NSW州火災を再考する
栃木県足利市の火災は9日目となった2021年3月1日に鎮火されました。焼失面積は1.06平方キロメートル(106ヘクタール)。国内で一年間に発生する林野火災の焼失面積はおよそ7~8平方キロメートルであることからも、その規模の大きさが分かります。
翻って世界に眼を向けると、2019年7月~2020年3月まで240日間も燃え続けた史上最悪の森林火災「オーストラリア・ニューサウスウエスト州火災」の規模は尋常ではありません。焼失面積は最終的に103,000平方キロメートル以上と発表されています。その広さは韓国の国土面積に匹敵し、ハンガリーやポルトガルの国土面積より広いものでした。日本国内に置き換えると、北海道より広い範囲で、関東地方の3倍もの面積が焼失したことになります。
オーストラリアの国土は7,692,000平方キロメートルと日本の国土面積377,900平方キロメートルの約20倍の広大さを誇りますが、この火災による焼失はオーストラリア国土全体の約12.6%に相当する甚大なものでした。
【焼失面積】
オーストラリアNSW州火災 103,000平方キロメートル
【国土面積】
大韓民国 99,678平方キロメートル
ハンガリー 93,028平方キロメートル
ポルトガル 92,090平方キロメートル
【地域面積】
北海道地方 83,545平方キロメートル
関東地方 32,420平方キロメートル
途方もないスケールで迫る気候危機は、企業や一国の政府だけで対応できるものではありません。トランプ大統領が離脱したパリ協定にバイデン政権は2021年2月に復帰。「気候変動問題は人類の存在に対する脅威」であるとし温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル:脱炭素政策」を2050年までに実現する目標を掲げました。一方、日本政府はカーボンニュートラルの実現を2070年までの目標と定めています。
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