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地球環境の変化とSNS
地球環境の変化により気候変動が加速すると生物の多様性が損なわれる。一見、私たちの暮らしとは関係なさそうに思える気候の温暖化と生物の変化は、大洪水、森林火災、竜巻、台風、熱波など、自然災害と異常気象を引き起こし人々の暮らしに甚大な被害をもたらす。災害はインフラストラクチャーを断絶し、グローバル企業のサプライチェーンが断たれ、都市間のロジスティックシステムは麻痺してしまう。やがて生活に必要な物資の供給は偏りを生じる。世界的な物の偏在化はダイレクトに人々の生活に経済格差を生み出していく。極度の貧困はグローバルヘルスが維持されないばかりか、麻薬、暴力、虐待、児童労働など、より複雑巧妙な社会問題を加速させてしまう…
国連は様々な社会課題を解決するために具体的に17項目の達成目標 (SDGs) を掲げた。各国政府はこの主旨に賛同し、自国の状況に応じた数値目標と方向性を他国の顔色とパワーバランスを伺いながら発表していく。その方向性に社会的責任とイニシアチブを取るべきは、問題解決の詳細により到達しやすい立場にある企業と研究者であろう。しかし企業や研究者が社会問題の解決に向けて様々なアクションを始動する際、その環境もまた瞬く間に競争原理に取り巻かれてしまう。企業や研究者の置かれた社会環境にもまた連鎖のように経済格差が生じているからだ。
こうした覇権争いを制するにはより多くの資金を集めることしか方法はないのだろうか。資源と富の適正配分とは、最大多数の最大幸福の理想を求めることだろうか。それともマイノリティを取りこぼしなく救うことだろうか。もしくは力のある場所により多くの資金を集めることだろうか。世界が年を跨いでコロナウイルスと戦う中で、私たちはSNSでは見えない社会を知る機会を完全に失いつつある。SNSに巨額の資金が集まれば集まるほど得られる情報が操作されてしまうからだ。SNSに登場する情報は手を差し伸べられた氷山の一角でしかない。2021年、世界の人々の現実の暮らしは、タッチパネルの闇に深く埋もれてしまっているのではないだろうか。
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