研究内容
軽度脳低温療法プロトコール2019
2019年より我々が当院ICUと共に取り組んでいる小児の急性脳症に対する軽度脳脳低温療法と、さらに長時間の体温管理管理の要素であるTargeted Temperature (Time) Management (TTM) を組み合わせた新しい治療戦略プロトコールになります。小児急性脳症に対する脳低温療法の臨床効果は、現時点では十分な症例数が集積されないため明確なエビデンスレベルはありません。しかし本プロトコールの導入後、これまで最重症に分類されていた小児期発症の急性脳症(急性壊死性脳症:ANE、出血性ショック脳症症候群:HSES)症例において劇的な臨床的改善を認めています。また本プロトコールを早期に導入することは、けいれん重積状態の後におこる急性脳症(二相性脳症:AESD)の発症ならびに重症化の予防に寄与する可能性を有する治療法であると我々は考えています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32829972/
2021年現在、新たな小児急性脳症ガイドラインが改訂作業中ですが、当研究室ではこの2年間でさらに新たな方向性が見え始めています。今後とも、さらなるエビデンスの構築に尽力します。