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ブログ (個人課題)2023.04.04

宇宙飛行士になるということ

 2023年2月28日、JAXA (宇宙航空研究開発機構: Japan Aerospace Exploration Agency ) では2名の宇宙飛行士候補者が選ばれました。宇宙資源や宇宙旅行を視野に民間企業が宇宙産業をビジネス化する中、今回の募集が注目された理由は14年ぶりの選出というだけではありません。”Hello! EXPLORERS PROJECT” という、これまでの宇宙飛行や国際宇宙ステーション計画だけでなく、月面への着陸と探査を目指すNASA (アメリカ航空宇宙局: National Aeronautics and Space Administration ) のアルテミス計画に携わる次世代宇宙飛行士候補の募集であったからです。各国から選ばれた候補者は、小山宙哉の『宇宙兄弟』にあるような、気が遠くなる課程と幾多の関門を潜り、数年から10年後に予定される月面探査のミッションを目指すことになります。



 1972年以降、人類が50年以上も降り立つことの無かった月面着陸を現代の宇宙開発技術で再び成功へと導く壮大なプロジェクトに、世界中から4,127人の日本人が挑戦しました。コロナ禍の2021年12月、JAXA主催の採用説明会への参加を皮切りに「宇宙飛行士への転職」を決意した大胆不敵な挑戦でしたが、最終的に小生は力およばず2,266人の時点で脱落してしまいました。アポロ計画が飛躍した1970年代、タコ型火星人の存在を信じ込み、松本零士の999の世界観に耽り、いつの日かスペースシャトルで宇宙を志す未来を夢みる、自分もそんな少年の一人でした。成績は芳しくありませんでしたが、高校時代に地学の先生から「君は絶対に宇宙飛行士を目指せる」と励ましの言葉をいただきました。やがて少年は大人になり、日々脳や体温を下げる研究に傾倒し、宇宙航空医学認定医の資格を取得。そして人工冬眠技術の宇宙応用を掲げてこの度の選抜試験に挑みました。結果的に、宇宙で未来を開拓し、次世代の文明を創造する願いは叶いませんでしたが、少年の頃に思い描いた夢に向かったトライアルは、小生にはとても幸せな経験でした。

 次回の宇宙飛行士募集が何年先になるか、今のところ正確な情報はありません。もちろん志を曲げる気持ちもありません。ただ、これから暫くは最終選考を突破した素晴らしい2人に思いを託し、JAXAやNASAの活動を篤く支援したいと思っています。




【参考URL】

JAXA宇宙候補者募集特設サイト Hello EXPLORERS PROJECT https://astro-mission.jaxa.jp/astro_selection/


【宇宙に関する過去ログURL】

民間人が宇宙空間を旅する時代はまだまだ遠い https://imataka.labby.jp/blog/detail/596 (2021/12/18)

22世紀、人類の格差は宇宙に広がる https://imataka.labby.jp/blog/detail/542 (2021/111/17)

人類が宇宙生態系にメスを入れるとき https://imataka.labby.jp/blog/detail/540 (2021/11/13)

私は宇宙空間で暮らしたいとは思わない https://imataka.labby.jp/blog/detail/537 (2021/11/12)

ヒューマン・エンハンスメントが生む未来の人間間格差 https://imataka.labby.jp/blog/detail/528 (2021/11/10)

宇宙汚染は始まっている https://imataka.labby.jp/blog/detail/246 (2021/04/12)

NASA9番目の探査機が火星着陸に挑む https://imataka.labby.jp/blog/detail/185 (2021/02/19)

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